〜はじめに〜
2011年6月、炎天下での仕事を終えて静岡から東京へ帰る車の中だった。
今まで山登りをした経験はほとんどない。
でも、ふと富士山に登ってみたいという思いが込み上げ、
同乗していた仕事仲間に声を掛けた。
「富士山に登ってみませんか?」
それから1ヶ月後、10歳年上だが気のおけない仕事仲間のチャッチーさんと二人、
初めての富士山登頂に挑んだ。
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登山経験が極めて少ない僕らは、最もポピュラーな富士吉田ルートを目指し車で都内を出発した。
「曇り後 暴風雨」という最悪な天気予報だったが、二人で相談しダメもとで決行。
しかし、5合目付近まで来ると青空が見えていた。
PM 12:30
富士吉田5号目付近は大渋滞。
動く気配がないので1キロほど下に車を停めて
ここから歩いていくことにした。
5合目を出発しユルい道を進む。
徐々にキツくなる坂道に汗だくになりながらも、美しい山道に癒されていく。
PM 01:30
1時間ほどで6合目に到着。
大勢の人で賑わっている。
6合目からの道のりは、登山初心者&運動不足の僕の心臓を打ちのめす。
でも、歯を食いしばって登っていくうちに、
昔部活動で必死に走りまくった感覚を思い出していく。
「たまには歯を食いしばるのも楽しい」
7合目付近からは、山小屋が連なる。
今回の登山で一番キツかったのがこの岩の登山道。
ここで初めて富士登山は易しいものではないことを知る。
見下ろすと、まるで要塞のような登山道になっている吉田ルート。
富士山は、登るごとにどんどん景色が開けるので、
登っていくのが楽しみな山だ。
PM 04:30
宿は、7号目の中腹にある「東洋館」。
一泊素泊まりで6,000円。食事付きだと9,000円。
PM 09:00
夜、外へ出てみると、
ここでしか見る事のできない夜があった。
AM 01:30
仮眠をとって夜中に出発。
辛い岩の山道が続くが、夜空があまりにキレイで
昼間よりも気分よく登れる。
AM 04:00
9合目付近ですでに空が明るくなりだす。
しかし、山頂付近の渋滞がひどくなかなか進まない。
なんとかして山頂でご来光を見たい!
心臓が張り裂けそうになりながらラストスパートをした。
AM 04:30
間に合った!山頂でご来光を迎える。
太陽が、人も大地も真っ赤に染めていく。
大勢の人で埋め尽くされた富士山頂。
登る太陽を見て、一日一日の大切さが身にしみて分かった気がする。
左が僕、右がチャッチーさん。
この日から一週間、激しい筋肉痛で歩くのも辛い日々を過ごした。
正直、何度も何度もくじけそうになった。
こんなに苦しい思いをしたのは初めてかもしれない…
でも、下山してすぐに思った。
「また、山に行きたい」
僕はたぶん、老いて歩けなくなるまで山を登り続けていくだろう。
「山登り」という新しい趣味が出来た。
〈まとめ〉
・富士登山は甘くない。下調べと準備は入念に。・吉田ルートは往復15キロくらい。山小屋は予約していくのがベター。
・山頂は夏でもかなり寒い。防寒着を忘れずに。
・水は山小屋で買うと500円。
・体力に不安がある人は「金剛杖」ではなく「トレッキングポール」を使った方がいい。
・ご来光を見たい場合は、山頂付近の渋滞を考慮して宿を出る時間を決めた方がよい。
・登りもキツイが下山はさらにキツイ。