第九登 「雲取山」2012年1月4日


「ここを歩いてみたい」

写真を見てこんなことを思うようになったら
きっと山バカになってきた証拠だろう。

2012年、最初に登る山を吟味しているとき、
誰かのブログに載っていた雲取山の尾根道の写真。
 一目惚れだった。

正月でなまった体に活を入れるためにも
東京で一番高い山「雲取山」に挑んだ。


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 メンバー:R16、チャッチーさん
 天候:晴れ
 気温:3度
 登山ルート:小袖〜堂所〜七ツ石小屋〜七ツ石山〜
       雲取小屋〜雲取山(往復)
所用時間:登り4時間45分 下り2時間35分
歩数:37,824歩(約21kmくらい)

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AM 7:30
 自宅を出発したのは早朝5時。
2時間半かけてやっと小袖の駐車場に到着した。

奥多摩湖畔の道を少しそれて山の方へ登っていくと
この駐車場に到着する。
ここまでこなくても奥多摩湖湖畔の鴨沢登山口から
登ることもできるがかなり大変。





 登山道まで舗装された道を200mくらい歩く。
朝日に照らされた山並みはとても美しい。



登山口の手前に車を3台だけ駐車できるスペースがある。

実は、登山前に雲取山のことをいろんな人のブログを見て
情報収集したのだが、どのブログにも辛い経験をした
ことが書かれていた。往復20kmを越えるルートなので
本来なら1泊するのが通常のようだ。

そうした情報を見た相方のチャッチーさんは、かなり腰が引けてる様子。
登る前から「不安だぁ」「ドキドキするぅ」と
らしくない発言をこぼしていた。

つべこべ言わずに いざ、入山!




 朝日の木漏れ日がそそぐゆるい林道を
ゆっくりと登っていく。
山頂までの高低差は1200mくらいあるのに、
いっこうに登っていかない山道…
後半に待ち受ける傾斜を想像し怖くなってくる。

正月の不摂生と寝不足のせいか、
体もだるくなかなか足が進まない。




 登り始めてからおよそ2時間。
少し開けた視界に富士山が見えた。

 

 徐々に傾斜が増してきた。

雲取山の序盤は、傾斜はゆるいが細かい石が多く、
割とのっぺりとした道が続くので
カカトに体重が乗ってしまい痛くなった。




 「ブナ坂」と「七ツ石山」の道標。
「ブナ坂」は落石事故がおこったようで危険らしい。
雲取山序盤の登山道は、このような道標が非常に少ない。
自分がどれくらい来たのか、山頂まであとどれくらいなのかが
わからないので僕らのようにはじめて登る人には不安が広がるだろう。

七ツ石山方面に進路を取ると急に勾配がキツくなっていく。




 AM 10:15
出発からすでに3時間以上。やっと「七ツ石小屋」に到着。

この小屋は宿泊も可能。ゴールデンウィークなどは
けっこう賑わうらしい。

オリジナルの山バッチが3種類あったので、
そのうちの一つを僕は購入した。
チャッチーさんはここでは買わないで山頂の方で買うつもりらしい。
それが後々裏目に出てしまうのだが…




 小屋を過ぎたあたりから、
徐々に山道が広く歩きやすい道になってくる。
山道には雪もちらほら。



AM 10:35
 ようやく「七ツ石山」山頂へ到着。
標高1,740m。 

七ツ石山山頂からの景色は素晴らしい。
雲取山の山頂を遠くにとらえ、そこへ続くなだらかな尾根道が
歩く意欲をかき立ててくれる。

冒頭に書いた「一目惚れ」は
この道のことだ。




七ツ石山から急勾配の坂道を一気に下る。
その下に、憧れた尾根道が待っている。 



 もうお気づきかもしれないが、
このブログのタイトル写真につかわれているのがこれ。
左に最高の景色を楽しみながら広々とした尾根道が続く。



「ひょうひょうとした…」
という言葉がよく似合う木。

人も木も、こうしたひょうひょうとした雰囲気に
憧れてしまう。





 雲取山の尾根道には、いくつかのコブのような丘がある。
小さいが丘を越えて進むには勾配のキツイ坂を登り下りしなければいけない。
そのため「巻道」という平坦な迂回路が用意されている。

「どうする?」

とチャッチーさんが聞いてくる。

「もちろん、キツイほうで」

と答える。
テレビでどこかの会社の社長さんが言っていた。

「キツイ方ばかり選んで仕事をしてきたら成功していた」 

確かに、巻道は一見楽だが陽が当たらないし景色もよくない。
凍結してツルツルすべる危険な道だった。

苦労して丘を登っていくと得るものは大きい。






AM 11:15
 一時休憩。だいぶくたびれてきた。

ちなみに今回新しく増えた山グッズは
ゴアテックスの「ライトスパッツ」とナイキの「ウインドブレーカーパンツ」。
ライトスパッツはズボンの裾を汚さずに済むので意外と役に立つ!





 憧れの尾根道が続く。
しばらく行くと「奥多摩小屋」が右手にある。町営らしい。
(トイレ有り)
小屋の外に見覚えのあるアニメキャラクターっぽい木の彫刻が…
もう少し精度を上げられないものか。





 前方にやっと山頂の小屋が見えてきた!
山頂に近づくごとにキツイ登りが連続していた。あと少し…
PM 12:17
登山開始から五時間弱。
山頂の「雲取山避難小屋」に到着。
振り返ると歩いてきた尾根道の向こうに
幾重にも重なる山々の絶景が広がっていた。


 雲取山山頂 標高2,017m




映画「岳」〜小栗旬の真似をする人を発見…








PM 13:25
 下山開始。
二人ともバテバテだった。

しかし、チャッチーさんが期待していた山バッチが山頂で売っていない…
本来ならショートカットできる登山道をいくはずが
どうしてもバッチを諦めきれないチャッチーさんのせいで
また七ツ石小屋へいくことに。
しかも落石によって所々崩落しているブナ坂ルートで。

ひどい目にあった。





 無事山バッチを購入し
ご満悦のチャッチーさん。
帰りも運転してもらうので怒らずに優しくしておこう。



PM 16:00
 めちゃめちゃしんどかったけど無事下山。
 お疲れコーヒーが五臓六腑にしみていく。

歩数 37,824歩
 
 歩いた距離だけなら富士山よりもある。
いつの日か、この山を颯爽と登れるようになりたいと思う。



〈まとめ〉
・小袖までは車で行けるが、バスだと奥多摩湖畔の「鴨沢」から登るルートがある。
・途中谷間から吹き上げてくる風が身を切るような寒さ。冬場は防寒をしっかりしよう。
・この日の山頂の気温はマイナス3度だった。
・山頂の小屋にはなにも売っていない。山バッチは買えるところで買っておこう!